他にも方法はありますが,MS-DOSでLAN接続を実現することによって享受できるメリットは大きく,Windows系OSのネットワークインストール手法としては抜本的な方法です.
他の方法を具体的に紹介しますと,変換コネクタを使って2.5inchHDをデスクトップ機に繋いでインストールを行うのは手っ取り早いことでしょう.しかしこの方法はハードの分解及び改造行為に抵触し,保証が受けられなくなる可能性があります.先にLinuxをFTPインストールするという方法もありますが,Linuxは万人に必要なものとは思えません.
その他,やや場当たり的ですが,FIPS(無料)というツールを用いてOSを削除する前に別パーティションにCDイメージをフルコピーするという方法をこちらで紹介しています.
また,
このページでは,サブノートPCをMS-DOSのブートフロッピーディスクから起動し,デスクトップ機などのCD-ROMドライブを内蔵したWindowsマシンに Peer to Peer (1対1の接続,つまり二台のコンピュータを接続すること)でネットワーク接続してOSをインストールすることを詳細に解説します.
例に取り上げますノートPCは Mebius PC-PJ1-M3 ,インストールOSは Windows95/98/NT4.0 と Linux です.必要になるソフトは無料で入手できる Microsoft Workgroup Connection です(ダウンロードに関しては本文中を参照).解説には汎用性を持たせています.Mebius PC-PJ1-M3 に特化した解説は「ちなみに....」という風に本文にちりばめて併記しております.具体例を併記した方がわかりやすいであろうという思想のもとにそうしておりまして,他の環境におきましても参考になると思います.
似たような状況だがネットワーク環境がない,という方もいらっしゃるかもしれませんが,ノートPC用の別売りCD-ROMドライブを購入するくらいならネットワーク環境を構築した方が得策かと思われます.デスクトップ用の100base対応イーサネットカード(PCI)は実売で3,000円くらいですし,ノートPC用のPCMCIAな100baseLANカードも最近では4,000円程度で買えてしまいます.T型のクロスケーブルでLANボード同士を接続すれば,デスクトップPCのディスク資源を自在にノートから活用できます.
何と言ってもMebiusの別売りCD-ROMドライブは標準小売価格39,800円です(^^;.しかも20倍速です.PCMCIAのSCSIカードとCD-ROMドライブを購入するにしても同じくらいかかるでしょう.私が所有するすでに旧世代化したデスクトップマシン(K6-200)ですら24倍速ドライブを搭載しております.デスクトップ用の高速な普及型CD-ROM・DVDドライブは5,000円もしないことを考慮しますと,別売りの専用CD-ROMドライブを購入した時点で敗北であり,企業主導のコマーシャリズムに屈したことになります.
お急ぎの方はこちらへお進み下さい.お時間に余裕のある方はこちらにもお立ち寄り下さい.
Windows95/98をネットワークインストールしようという方も是非ご一読を.時代は既にWindows XP からVistaへと移行しつつあり、NT4.0なんて旧石器時代のOSになってしまいましたが、歴史を記すという意味で、以下の文書を残しておきます。
ここで一言:
どんな最新PCにもフロッピーディスクドライブは標準で装備されてます.DOSはUNIXを凌ぐほどの超安定OSなので様々な工場の生産ラインなどでまだ現役として働いているようですが,一般的なビジネス用途に関して言えばDOSやフロッピーは全く使われていません.OSをまっさらからインストールするときや,システムの復旧作業時くらいでしょうか.Microsoftのある限り,フロッピーも安泰ですね(笑).
私の例を挙げます.
資金調達に成功し,めでたく SHARP Mebius PC-PJ1-M3 を手にすることができました (^-^)/.OSは Windows 98 です.しばらく使用してみました.
.....うーん,ちょっといただけません.
Windowsを使わないなら良いのでは? というのはもっともな御意見ですが,現実的にはそうもいきません.Linuxが大流行と言っても現時点ではマイノリティであり(といっても入れてますが),周囲とのデータのやりとりもままなりません.総合的に見て,デスクトップ環境はまだまだWindowsに一日の長があります.特に日本語環境に関してはWindowsに勝る環境はないと言ってもよいでしょう.
Windows98も,95に比べれば「少しだけ」安定しているとは言え,建て増し旅館方式の不安定なOSであることに相違ありません.操作している時に「ピタッ!.....」と一瞬画面が止まり,うっ,落ちたか.....と冷や汗が出た瞬間にまた動き出したり,時には本当にそのまま止まったりと,胃に悪いも極まっています.
その点,デスクトップ機(NT4.0,98,Linuxの3本立て)で主に使用しておりますNTは非常に安定しており,OSが落ちるなどということはまずありません.Windows98などを日常的に使用し,「PCは落ちるのが当然である」と思っておられる方がNTを使用すると,その安定性に驚かれることでしょう.サーバとしてはいまいちのようですが,デスクトップ使用では快適です.
普段のデスクトップOSとしての使用感はWindows95/98と驚くほど「まったく」同じです.ワードやエクセルなどのアプリはもちろんまったく同じように動作しますし,不安定で名を馳せるワードがいつものように突然落ちても,NTであればOSまで巻き込まれて落ちるということは絶対と言って良いほどありません.OSとしてそれは当然だと思うのですが(苦笑).アプリが落ちて良いという話もないのですが(苦笑^2).
さらに,32ビットコードでかかれたアプリケーション(最近ではほとんどですね)の実行速度は,メモリが十分搭載してある同様のハード構成においては,95/98上よりもNT上で走らせた方が高速なようです.さらに16ビットコードのアプリケーションも大方走らせることができるようです.
驚いたのが,16ビットコード(Windows3.1用)のMIDIシーケンサが何の問題もなく動いたということです.ISAカードのMIDIインターフェース(Roland Super-MPU)を通して外部のMIDI機器を用いてきちんと演奏ができました.それほどまでにNTでは16ビットコードもサポートしてあるということです.16ビットアプリが変な挙動を示してもWindows95/98のようにOSまで一緒に落ちるということはまずありません.タスクマネージャによるアプリの強制終了も強力です.
NTはディスクやメモり資源を大量に消費し,個人ユース向けではないという認識の方もおられるかもしれませんが,最近のPCを見てください.エントリークラスのPCでもメモリ64MB,HD4GBは積んでおり,デスクトップアプリケーションを使用するのであれば十分すぎるほど実用になります.
ちなみに Mebius PC-PJ1-M3 は,EDOながらメインメモリは標準で 128MB,HD4.3GB,CPUは P55-266MHz です.128MBのメモリが搭載してあるとして,この容量をフル活用したいのであればNTを使用すべきでしょう.Windows95/98では複数のアプリケーションを起動すると,メモリ容量が十分にも関わらずシステムが不安定な状態に陥ることは周知の事実です.
NTはデバイスドライバが95/98と互換性がありませんが,最近のデバイスは発売当初からNT対応を謳ったものがが大半であり,ほとんど問題にはなりません.プラグ&プレイ,FAT32やUSBに未対応ですが,これらはないならないで何とかなります.逆に手動設定の方が自動的におかしくなる恐れ(笑)がありませんので,個人的には快適に感じます.
この文書も,Mebius + NT の環境上で作成しております.もちろんオプションのCD-ROMドライブは購入しておりません.Windows95/98の不安定さに関してはストレスがたまっているが,Windowsは手放せないという方は多くいらっしゃることと思いますが,そういう方々にはNTを強くお奨めします.仕事の能率アップは間違いなしです.
ちなみに,SHARP Mebius PC-PJ1-M3におけるNTの使用方法に関する情報はネット上にすでに存在します.例えばこちらのオフィシャルページには,NTのインストール方法と親切にもNT用のドライバのセットを用意してあります.しかし,ここに記載されている方法に従いますと,標準小売価格39800円もする別売りの20倍速CD-ROMドライブが必要となります.
GUIしか使用したことない方にDOSの使用を奨めるというのは多少酷なところがありますし,私自身もDOSに関する知識は忘却の彼方でしたが,「そこにCD-ROMドライブがあるのにどうして専用のドライブを買わないといけないの?」と素直な疑問を感じておられる方は,面倒でもMS-DOSによるネットワークアクセスを実現し,これを利用してインストールすることをお奨めします.
DOSでLAN接続を試みる気になった方はこちらへお進みください.ノートPCを新調して,とりあえずOSを入れ替えたいとおっしゃる方は,こちらも参考になることでしょう.